更新日: 2026-09-18

土砂災害警戒区域は重要事項説明でどう扱うか(調べ方と説明義務)

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)は、土砂災害から住民の生命を守るため、都道府県知事が急傾斜地の崩壊等のおそれがある区域を指定し、警戒避難体制の整備や一定の開発行為の制限を行う制度を定めています(土砂災害防止法|e-Gov法令検索)。この記事では、区域の調べ方と、重要事項説明でどこまで説明が必要になるかを整理します。

土砂災害警戒区域と特別警戒区域の違い

土砂災害防止法は、危険の程度に応じて2段階の区域を指定します。

  • 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):土砂災害が発生した場合に住民の生命・身体に危害が生じるおそれがある区域。警戒避難体制の整備が中心の規制
  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):イエローゾーンのうち、建築物に損壊が生じ住民に著しい危害が生じるおそれがある区域。特定の開発行為の許可制、建築物の構造規制などより強い規制がかかる

同じ「土砂災害警戒区域」という言葉でも、イエローゾーンとレッドゾーンでは規制の強さが大きく異なるため、どちらに該当するかを区別して確認する必要があります。

調べる方法

指定状況は都道府県が公表しており、国土交通省の砂防部門のページでも関係法令等の条文が整理されています(砂防:土砂災害防止法 関係法令等の条文)。区域指定の地図そのものは、各都道府県のWebサイトや、国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認できます。指定は1/25,000程度の縮尺で作成されているため、境界付近の土地では実際の指定範囲を都道府県の土木事務所や市町村の窓口で個別に確認するのが確実です。また、区域指定は順次見直されているため、確認した時点のデータ年・取得日時を記録しておくことが重要です。

重要事項説明での説明義務

不動産取引において、宅地建物取引業者は重要事項説明で対象物件が土砂災害警戒区域内にあるかどうかを説明する義務があります(宅地建物取引業法第35条・同法施行規則に基づく)。売買・交換だけでなく賃貸借の重要事項説明でも対象になる点は、水害ハザードマップの説明義務と共通しています。特別警戒区域(レッドゾーン)に該当する場合は、開発行為の制限や建築物の構造規制といった、より具体的な制約があることもあわせて説明する必要があります。

特別警戒区域(レッドゾーン)に該当する場合の追加確認事項

レッドゾーンに該当する場合、住宅や高齢者福祉施設など特定の用途の建築物を新築・改築する際に都道府県知事の許可(開発行為の許可)が必要になることがあり、建築物の構造についても土砂の力に対する安全性を確保する基準が求められます。既存の建物であっても、増改築の内容によっては同様の規制がかかることがあるため、レッドゾーンに該当する物件を取引する場合は、通常のイエローゾーンよりも一段階詳しい確認(許可の要否、既存建物の構造が基準を満たしているか)が必要になる点を押さえておく必要があります。

実務での注意点

「該当なし」という判定結果を示す際は、指定が無いことを確認した年月日と、参照した都道府県のデータの年度をあわせて記録しておくと、後から説明内容の根拠を示しやすくなります。指定区域は前述のとおり順次見直されているため、古い地図の記憶だけで「この辺りは大丈夫」と判断せず、都度最新の指定状況を確認することが重要です。

まとめ

土砂災害警戒区域は、イエローゾーンとレッドゾーンで規制の強さが異なり、重要事項説明ではどちらに該当するかまで含めて正確に説明する必要があります。指定状況は都道府県のデータとハザードマップポータルサイトで確認できますが、境界付近の土地は必ず窓口で個別確認することが安全です。区域の見直しは今後も続く見込みのため、過去に確認した内容をそのまま使い回さず、取引のたびに最新の指定状況を確認し直す運用にしておくと安心です。

本記事は2026-09-18時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の区域指定の判定は都道府県・市町村の窓口にご確認ください。


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